レーザー治療とは
レーザーってなに?
レーザーって何かしら? 初めて聞くから、ちょっと心配・・・・・。
そうだね。 でもね、歯医者さんや病院だけでなく、 みんなの周りでレーザーはたくさん使われているんだよ。
レーザーは、 どんなところに使われているのだろう?
例えば、みんながいつも音楽を聴くときに使うCDはレーザーを使って音を出しているんだよ。
それから、商品についているバーコードを読む機械もレーザーが使われているね。
レーザーの光は、 太陽や蛍光灯とどこが違うの?
いくつか大きな違いがありますが、一番際立った違いは、レーザーの光は「平行」に進むということです。
太陽や蛍光灯、懐中電灯の光などは、下記の図のように広がってしまいます。
それに比べて、レーザー光は、「真っ直ぐ(直進)」進みます。
この他に、人工的な光のため同位相性、単色光性などの非常にユニークな特長により、多方面に活用されています。
また、レーザー光は、特定の物質にしか反応しない特徴があります。
当院で使用しているレーザー装置は、例えば、健康な歯には何も影響せずにむしば菌に冒された歯のみを除去することが出来るなど、大変特殊なレーザーです。
そのため、「健全で健康な部分」を傷つけることなく、安全に治療することができるのです。
レーザーにはどんな種類があるの?
レーザーには様々な種類があります。 それぞれに特徴があり、反応する色や物質に違いがあります。
その特徴を上手に利用して、様々な医療分野で使われています。
医療の各分野で使われている主なレーザーの種類と特徴
Nd:YAGレーザー
特徴:黒色色素・タンパク質・金属などに吸収されやすい。
使われている分野:広く医療全般に使われている。 歯科では、歯周病の治療や疼痛緩和治療、虫歯予防などに応用されている。 当院で使用しているレーザーもこのレーザーです。
CO2レーザー (炭酸ガスレーザー)
特徴:水に吸収されやすい特性を持つ
分野:歯科にも多く使われている。
また、ホクロやイボ・アザや シミなどの治療に使われている。
Er:YAGレーザー (エルビウムヤグレーザー)
特徴:水に吸収されやすい特性を持つ
分野:歯科分野でも応用されている。また、扁平母斑や浅いアザなどの治療に使われている。
半導体レーザー
特徴:色素に吸収されやすい特性を持つ
分野:除痛治療や創傷治癒促進などにも多く用いられている。
He-Neレーザー (ヘリウムネオンレーザー)
特徴:出力の低い赤色光のレーザ
分野:アレルギー治療や除痛などに使われている。
色素レーザー (ダイレーザー)
特徴:色素に吸収されやすい
分野:赤アザや血管系異常の治療に有効といわれている。
エキシマレーザー
分野:眼科の近視矯正手術などに使われている。
この他にも様々な種類のレーザーがあり、医療のあらゆる分野で活用されています。
近年では、人への医療だけでなく、動物などにも応用されているのです。
医療で使われているレーザー治療
次は、病院で使われているレーザーについてお話しましょう。
目の治療
近視矯正、白内障、緑内障の治療などに使われています。
鼻の治療
花粉症やアレルギー性鼻炎の治療に使われています。
肩こりの治療
神経の炎症を抑え、血流を良くすることで、痛みを緩和します。
腰痛の治療
椎間板ヘルニアの治療や、腰痛緩和の治療に使われています。
いびきの治療
レーザーで垂れ下がった口蓋垂などを切除することによりいびきを解消します。
体の中の癌などの治療
癌細胞のみを焼くことによって、正常な組織への影響を最小限にくいとめます。
火傷・キズ・手術跡の治療
色素沈着、凹凸や赤みなどをレーザーを使って目立たなくします。
小さな虫歯の治療
歯を削らずに、元の歯に戻しましょう。
今までは削って詰めていたのですが、一度削ってしまった歯は元に戻りません。レーザーを使って、再生治療をしましょう。
虫歯予防
虫歯になりにくい強い歯を作りましょう。
一生使う大事な歯だから、レーザーを使って硬くて虫歯になりにくい丈夫な歯に変えましょう。
大きい虫歯の進行防止治療
虫歯の進行を食い止めましょう。
たとえつめて治しても一度虫歯になってしまった歯は、どんどん虫歯が深くなりやすいので、今以上に歯が溶けてなくならないようにレーザー治療をしましょう。
歯の神経の治療
痛みを和らげ、より確実な治療をしましょう。
神経の治療の必要な歯は、たくさんのバイ菌で汚れています。きちんと滅菌し、悪くなった部分を掃除して、早く治します。
口内炎の除痛
痛みを薬を使わずに、すばやく緩和します。
なかなか治らなくて、とても痛い口内炎は、レーザーで痛みを取ってすばやく治します。
すべてがレーザーだけで治るわけではありません。
また、症状や状態によっては治り方に個人差があります。
歯周病(歯槽膿漏)の治療
歯周病の早期治療と定期的なメンテナンスで 健康な歯肉を保ちましょう。
レーザーを使うことで今までよりも短時間で健康な歯肉を取り戻しましょう。そして歯周病の元になる歯石の除去などもレーザーで行なうことができます。 手術の苦痛の無いレーザー治療で健康で引き締まった歯肉を再生しましょう。
歯の神経を守る治療
歯の神経はとても大切。でき出来る限り神経を守る治療をしましょう。
大きな虫歯の場合、神経をとらなければならない程ひどくなっていることもあります。 レーザーを使って神経をなるべく守るようにしましょう。
知覚過敏の治療
歯のしみる原因をさぐり、元からレーザーで治療しましょう。
すべてがレーザーだけで治るわけではありません。
また、症状や状態によっては治り方に個人差があります。
レーザーによる虫歯予防
乳歯のうちから予防管理
子供の歯「乳歯」はいずれ抜けてしまうからと、"虫歯"になっても気にしないことが多いですが、小さな子供の「乳歯」の時から"虫歯"がたくさん出来てしまうと、永久歯にも伝染することがわかっています。
しかし、"虫歯"が出来ないように管理するのはとても大変。
もっとも確実な方法は、妊娠中からフッ素を飲用することなどがあげられています。 生まれたお子さんにも積極的にフッ素を使いましょう。
しかし最後の決めて手は、乳歯が生えそろう頃から、 レーザーで虫歯が出来ないよう強い歯に変化させる方法です。
乳歯からの予防管理をすることで『むしば菌』の住みずらい環境にしましょう。
六才臼歯の予防管理
はえたての大人の歯はとても虫歯になりやすく弱い状態です。
大人の歯がはえてきたらレーザーで歯質強化をしながら虫歯を作らないように定期健診することが大切です。
レーザーは健康な歯を「むしば菌」の「酸」から守る強い歯に変えてくれます。定期的にレーザーとフッ素を使うことで、ほとんどの虫歯が予防できるようになりました。
乳歯もし六才臼歯も永久歯も、はえはじめから、完全にはえるまでのあいだに、定期的なレーザー照射が必要です。
レーザー治療による 虫歯・歯周病の治療
小さな虫歯
虫歯ができてしまったら、今までは「小さい虫歯」も「大きい虫歯」も同じように歯を削ってつめる以外に治す方法がありませんでした。
しかし、一度削ってしまった歯は二度と「元には戻りません」。
そして、一度削ってしまった歯はそこから「虫歯ができやすい弱い歯」になってしまいます。
レーザーでは「小さな虫歯」は削らないで元の歯に戻します。
むしば菌を退治してフッ素を塗ることで 「再石灰化(元の歯に戻す力)」を起こし歯の再生療法を行ないましょう。
完全に虫歯の進行を止めるまで、定期的なレーザー照射が必要です。
※まれに適応外のケースもあります。
大きな虫歯
虫歯よりも大きくけず削る必要がありました。
だから、麻酔も必要になったり、ひどい時には歯の神経も抜かなければなりませんでした。
その治療が嫌なので、ついつい歯医者さんに来なくなって、余計にひどくしてしまう事がありました。
これからは・・・
レーザーを使えば、虫歯の進行を大幅に遅らせることができます。
さらに、レーザーを使うことで虫歯の部分だけを取り除くことができます。
だから、大きく削る必要もなく、その結果、仕方なく行なっていた「神経を抜く」治療も行なわなくてすむケースが多くなりました。
虫歯になってしまった部分をレーザーでお掃除することで、虫歯の再発も予防することができるようになりました。
歯の神経の治療
強い痛みがあったりして歯の神経までだめになってしまっている時は、「歯の神経」を抜かなければなりません。
その際には、歯の根っこにたまっていたばい菌や膿をきれいに掃除しなければなりません。
今までは、細い「リーマー」と呼ばれる器具で掃除をしていました。
しかし「リーマー」では、根っこの先端まで確実にきれいに掃除をすることが難しく、治りも遅いなど、大変難しい治療でした。
私達のレーザーの力で、根っこの中をきれいに殺菌して、炎症を早く鎮めます。 根っこの先まで確実に掃除をすることができるので、根の先端にできてしまった膿の袋もきれい治ります。
今まで殺菌しにくかった部分もレーザーなら確実に殺菌します。 早く、確実に、快適な痛みのない根の治療を、レーザーが可能にしました。
※まれに適応外のケースもあります。
歯周病の治療
歯周病菌(プラーク)をためておくと歯肉の血行が悪くなり、気づかないうちに進行して、ひどくなると歯を支えている骨が溶けてしまい、歯が抜けてしまいます。
一生懸命歯磨きをしているつもりでも、なかなか治りにくく、重症の場合は歯肉をメスで切らなければなりませんでした。
うっ血をおこし赤く腫れて、ブヨブヨになった歯肉は、歯ブラシをしただけで出血したり、いた痛いと気が付く頃にはアゴの骨が溶けていることさえあります。
深くなってしまった歯周ポケットは歯みがきだけではなかなか治りにくく、時間もかかります。
歯と歯茎の間にレーザーを照射することで、歯周病菌をやっつけて、弱っている歯茎の血行を良くして、健康な引き締まった歯茎を再生します。
歯肉を切ったりしないので、麻酔もせずに、歯周病の治療が可能になります。
進んでしまった歯周病でも レーザー治療を併用すれば
・出血が止まる
・歯石(歯周病菌の死骸)が取り除きやすくなる
・グラグラの歯が引き締まって安定する
・ブラッシングだけの治療に比べ、非常に治りが早い
など、の素晴らしい効果が得られるのです。
※まれに適応外のケースもあります。
口内炎
一度できてしまうと、なかなか直らなくて、とても痛い口内炎。
今までは、お薬などで「ゆっくり」と治ることを待つことしか出来ませんでした。
レーザーを使うことで、その場で痛みを取り除くことができます。
また、傷の治りも早くなり、薬のような副作用もなく、安心です。
レーザー治療 Q&A
- Qレーザー治療は痛くないの?
- 全く痛くないというのは、間違っています。
でも、ほとんどの患者さんたちは「痛くない」と言われます。
なぜなら、レーザーは使い方によって痛みが出ないようにコントロールして使うこと の出来る機械だからです。
また、当院で使われているレーザー装置は、とても特殊な機械なため、「痛みを少なく」することが可能です。
身体に光のエネルギーを照射した場合、「熱い=痛い」と感じます。
当院のレーザー装置は、とても大きなエネルギーの光を、約10000分の数秒という、とても短い時間で、瞬間的に出すことが出来ます。
沸騰したヤカンにほんの一瞬さわるだけなら熱さを感じないのと同じ原理です。
ですから、熱さを感じないまま、治療をすることが可能なのです。
この大きなエネルギーは、実は1,000度を超えることもあるエネルギーなのです。
でも、ほんの一瞬照射されるだけなので、痛みを感じることなく「ムシバ菌」や「歯周病菌」を一瞬にしてやっつけてしまうのです。
しかしながら、レーザーを「熱くないよう」「痛くないよう」安全にコントロールして使うことが出来るようになるにはトレーニングが必要です。
当院の先生は、レーザーのトレーニングを受け、安全で有効にレーザーを使うことができますので、安心してください。
安心してください。
でも、もし痛いときは遠慮なく言ってくださいね。 - Qレーザー治療には副作用はないの?
- 電気メスは身体に電気を通しますが、レーザーは身体に電気を通しません。 ですから、心臓に持病のある方やペースメーカーを使用されているかた方、高血圧のかた方、妊娠中の方でも安心して受けることができます。
レーザー光線を歯や歯肉に照射すること自体には、副作用はありません。
しかしながら、光過敏症や光アレルギーの方は適応外となります。
まずは先生ときちんと相談して、治療に望むことが大切です。 - Q放射線(X線)のような有害性はないの?
- 放射線とは全く違う光ですので、心配いりません。
レーザーを繰り返し使うことで、身体に有害な影響がでることはありません。
また、レーザー光は「光ファイバー」というとても細い導光ファイバー(200μ~600μ)を通って患部に照射されます。
ですから、正常な部位に影響のでないよう治療することができるのです。
加えて、歯の根っこの治療(根管治療)など、細かい治療にも使うことができるのです。 ※1mm = 1000μ(ミクロン)です。心配なこと、不安なこと、疑問に思ったことは遠慮しないで先生やスタッフに聞いてください。
私たちは、まずは正しいレーザー治療について理解していただきたいと思っています。 - Qレーザー治療でどうしてメガネをするの?
- レーザー治療をするにあたって、まずはじめに当院では「保護メガネ」を着用していただきます。
レーザーは高いエネルギーをもった光ですので、万一、この光が直接眼に入った場合、眼のレンズ(水晶体)を通して網膜に焦点を結び、網膜に障害をおこしかねません。 (下図参照)
この危険性を回避するために、当院では「レーザー専用保護メガネ」の着用を義務としています。
また、当院の保護メガネは「99.999%」レーザーの光をカットする特殊なメガネですので、安心して治療に望んでください。
世界の医療で使われているレーザー装置には、必ず眼の保護をする「専用のメガネ」があり、このメガネの着用なしにはレーザー治療は行なえません。レーザー治療の際には、保護メガネを着用することは「ルール」です。
必ず着用してくださいね。 - Qレーザー治療は一度すれば、一生有効で、大丈夫ですか?
- 残念ですが、「一生有効」という治療方法ではありません。 口の中には様々な菌(バクテリア)がすんでいます。
実は、体の中で一番バクテリアがすんでいるのは「口の中」だとも言われています。 健康な口の中は唾液の抗菌作用が働いて、バクテリア同士の均衡が保たれているのです。
どんなに口をゆすいでも、全ての菌を洗い流すことは出来ません。
同じように、どんなにレーザーで歯や歯肉を強化しても、全ての菌を取り除くことはできないのです。
ですから、定期的にレーザー照射をして、歯周病菌や虫歯菌を少ない状態に保つ必要があるのです。
また、ブラッシングも大切です。
レーザー治療をしたからといって「歯みがき」をしなくて良いわけではありません。
定期的なレーザー治療の期間は、体の状態、口の中の状態によって様々です。 先生と相談をして、定期的な予防を心がけましょう。大切な歯と歯茎を守るためには、定期的な治療と検診が不可欠です。
先生やスタッフと相談して、健康を維持しようね。